2025年度(令和7年度)

11月

とちぎ多文化共生フォーラム 2025

11月29日(土) 栃木県庁東館 講堂

地域における多文化共生を考えるフォーラムを行いました。

(基調講演)
「隣近所の多文化共生」を進めるコツ ~自治会役員の活動経験から~
講師 岡﨑広樹氏(UR川口芝園団地自治会 元事務局長)

 芝園団地では、日本人住民の高齢化と外国人住民の増加により、生活習慣の違いからトラブルが生じやすい状況にあったが、その背景には説明や理解の機会の不足がある。一方的な順応を求めるのではなく、理由や背景を丁寧に伝え、「伝える」から「伝わる」情報提供へ転換することが重要である。共存、緩やかな共生、共生という段階的プロセスで進め、自治会の信用力と外部の仲介者を生かした場づくりが求められる。

(パネルディスカッション)
「地域で、職場でどうしてる?日本人とのお付き合い」
●荒井 ロサ氏(スペイン出身)
 日本人の母を持ち、日本で長く生活してきたが、岡崎氏の話を聞き、「共存」と「共生」の違いが強く印象に残った。生活面で大きな不自由はない一方、人との距離感や本音が分かりにくいと感じる場面は多い。母の出身が大阪ということもあり、関西と関東の文化差にも当初は戸惑いを覚えた。現在は子育てを通じて地域と関わり、自分から挨拶する姿勢を大切にしている。曖昧な表現より、率直に伝え合う方が相互理解につながると考えている。

●グエン ゴック クオン氏(ベトナム出身)
 技能実習生として来日し、一度帰国したが留学生として再来日した。来日間もなく不安な中、会社の社長や奥さんにとても親切にしてもらったことが今でも忘れられない。ベトナムを「貧しい国」と決めつけて見られることには寂しさを感じている。相手から挨拶がなくても自分から挨拶することを心がけ、地域との関係づくりを大切にしている。現在は家族とともに暮らしているが、在留資格や制度変更により将来への不安を強く抱えている。

●タマン ラズ クマリ氏(ネパール出身)
 留学生として来日し、来日直後から始めたアルバイトを通じて、日本語と日本の文化を学んできた。アルバイト先の店長や仲間に優しくしてもらったことに感謝している。周囲の丁寧な支援が大きな助けとなった。当初はゴミ出しなど間違って近所に迷惑をかけたこともあったかもしれない。日本人の働き方は理解し受け止めつつ、自分の健康と生活を守ることは大切にしたいと考えている。

●岡﨑広樹氏(基調講演講師)
 全国で多文化共生に関する講演を行ってきた経験から、外国人との摩擦は日本人同士の関係性の希薄化と深く結びついていると捉えている。外国人が増えたから地域が変わったのではなく、日本社会のコミュニティ自体が弱体化しているのである。「郷に入っては郷に従え」を一律に適用するのではなく、守るべきルール、話し合う余地のある違い、世代差による違いを整理する必要がある。多文化共生は、日本社会全体の在り方を問い直す課題である。

 アンケートでは、基調講演については、「『共存』と『共生』についての考えが印象的だった。」、「地域の外から仲介者として協力してもらうアイデアに納得した。」、パネルディスカッションについては、「外国人パネリストから率直な話を直接聞けて良かった。」、「今後の活動の参考になった。」、「相手の考え、習慣を尊重して交流したい。」などの感想がありました。

基調講演を行う講師の岡﨑氏
パネルディスカッション

宇都宮市役所「業務で使える!やさしい日本語研修」への協力

11月27日(木) 宇都宮市総合福祉センター

 宇都宮市役所職員を対象に、増加する外国人住民にそれぞれの業務で対応するため「やさしい日本語」研修が実施され、TIA職員が協力しました。

 研修会では、外国人に伝わりやすい文書のポイント解説のほか、出入国在留管理庁作成のやさしい日本語研修動画を活用し、伝え方の工夫について参加者同士で話し合いました。これらを踏まえ、やさしい日本語での窓口対応のロールプレイで実践演習を行いました。

ペアワークを行う市役所職員のみなさん

上三川町オリプラカレッジ講話「日本で働く外国人就労者をたずねて! ~どこからきて、何を求めて栃木県にきたのか~」

令和7年11月18日(火) 会場:上三川町ORIGAMIプラザ

 上三川町の町民を対象に おとなの学び直し講座として開催されている「オリプラカレッジ」において、とちぎ外国人材受入支援センター・外国人材コーディネーターの堀江が 参加者45名を迎え講話いたしました。

 はじめに、県内で働く外国人へのインタビュー動画にて、明るく活き活き働いている様子を観ていただき、つぎに、深刻な人手不足による企業・住民への影響、そして、働き方改革と人手不足対策の関係、住民かつ全従業員で「暮らしやすく、働きやすい生活・職場環境」を考えることの重要性など解説。また、県内に居住する外国人の状況について、データを基に、どんな産業で、どのような在留資格をもって働いているのか、また「やさしい日本語」の必要性など、身近で働く外国人を例に取りあげてお話いたしました。

最後に、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱等の課題に対して、内閣府が現在「外国人との秩序ある共生社会実現のための総合的対応策」の基本的な考え方や取組の方向性をまとめていることから、この内容が国民の不安を希望に変える対応策になることを期待したいとして講話を終了いたしました。

▲海外の人と接することが好きになった理由を話す講師堀江

日本語学習支援研修会・初心者コース

10月11日(土)、18日(土)、11月1日(土)、8日(土) とちぎ国際交流センター

  県内には、外国人のみなさんが日本語や日本の習慣など学んだり、交流したりする場である「日本語教室」があります。このような場において、これから活動したいという方を主な対象とした研修会を開催しました。

 講師に東京にほんごネット代表の有田玲子氏を迎え、地域に暮らす外国人の現状を理解した上で、外国人とのコミュニケーションの基本となる「やさしい日本語」、外国語としての日本語、日本語の文法の基本、学習支援の組み立てなどについて学びました。最終日には外国人協力者とともに日本語学習支援の体験も行いました。

 研修会参加者からは、「活動を始めるにあたり、いろいろな本を読んでは迷っていたが、これが基本ということを学べて良かった」、「グループで支援計画を楽しく立てられた。みんなと一緒だとやる気になれた」、「実際に支援するという貴重な経験ができた」等の感想がありました。

グループワークでアドバイスを行う講師の有田氏
外国人協力者に対して日本語学習支援の体験を行う参加者(中央)

宇都宮東高校附属中学校生徒がTIAで社会体験学習

11月11日(火)~14日(金) とちぎ国際交流センター

 宇都宮東高校附属中学校2年の上松芽依(うえまつ めい)さん、持田颯斗(もちだ はやと)さんが、TIAで4日間、社会体験学習を行いました。

 二人はまず「多文化共生」と「やさしい日本語」について学んだあと、外国語担当の相談員8名(ベトナム語、中国語、タガログ語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、シンハラ語、英語)から、外国人の在留資格や外国文化などを教わりました。また、青年海外協力隊経験者のJICA栃木デスクから現地でのボランティア活動内容やJICA海外協力隊事業などを聞き、今回の体験学習で学んだことをすべてレポートにまとめました。

 その他、とちぎ国際交流センターの交流ラウンジに、来館者に観ていただくための大きなクリスマスツリーをきれいに飾りました。

▲ ベトナム語の相談員から仕事内容を聞く上松さん(中央)と持田さん(右)
▲交流ラウンジにクリスマスツリーを飾った二人